イノリ2

 

 

 

新学期が始まってからというもの、僕の機嫌は最悪だった。
その溜った鬱憤を、セブルスにぶつけてばかりいた。

「その髪、いい加減どうにかしたらどう?見ているこっちが気分を害されるんだけど」
「黙れ!貴様等には関係のないことだ」
「自分の身の危険を考慮したらどうだい?キミはまさしく今、ジェームズ・ポッターの前に立っているんだよ?」

全てのことにイライラする。
僕はジェームズ・ポッターだ。
どれだけ努力して、ここまでの名声を手に入れたか。

「そのくらいにしておけば?」
「リリー?!」

奴を弁護するのが、リリーだなんて。
間違いもいい加減にしてほしいものだ。

「あなたが何で機嫌が悪いか知らないけど!それをスネイプにぶつけるのは理不尽よ」
「我が愛しのリリー!キミはこんな輩の味方をするというのかい?」
「少なくとも!ただのウサ晴らしにイジメをする人よりかはずっと味方したいわよ」

何てことだ。
僕はリリーを敵に回してしまったのか。

「助けろと言った覚えはない」
「期待してないわ。早く行けば?」

無言でセブルスは走り去った。
僕を忌々し気に睨みつけて。