イノリ…5
「ジェームズ」
「リリー!どうしたんだい?」
うかれている場合ではないと、彼女の表情から悟った。
「何に苛立っているの?あなたのせいで、どれだけ周りが迷惑してるか、考えたことある?」
愛する者からの一言はキツイ。
というか、どうして僕ばかり睨まれなければならないんだ?
「それじゃあまるで、僕がただの考え無しの我が侭みたいじゃないか」
「だからそう言ってるのよ」
「聞いておきたいんだけど。どこがどう我が侭だっていうんだい?」
早足で歩きながら、僕はリリーをジッと見た。
「あなたは自分が何でも出来て偉いと思ってるみたいだけど!世の中そんなに甘くないのよ!どうせリーマスに監督生をとられたからってひがんでるんでしょう?」
どうしてわかったんだ?
誰にも言ってないはずなのに。
ピーターが漏らした…?そんなはずはない。
「大体予想はつくわ。ダンブルドアがあなたを監督生に選ばなかったのも、天狗になってるその鼻をくじきたかったからでしょうね」
天狗に?僕が――…違う。
僕はただ、みんなをまとめる存在は僕だと思っていただけ…