イノリ6

 

 

「あなたの私情に、何の非もないリーマスを巻き込むのはよしなさいよ。それが我が侭だって言ってるの!」

巻き込んでなんかいない。
そう思ってた。

「僕はただっ

人の上に立っていたかった。
みんなに認めて欲しかった。
ただそれだけなのに。

「いいんだ、もう。キミには関係のないことだから」
「なっそんな言い方しなくてもいいじゃない!」
「でも仕方ないんだよ。だってこれは僕の問題なんだから」

もてはやされた時代。
それは僕の代わりに犠牲になっていた人がいたから。
僕は自分の利を求めるがために、大切な事を見失っていたというのか。

「もう僕のことは放っておいてくれ。キミにも迷惑かけたね、すまなかった」

手に入れた名声。
勝ち取った称号。
僕はグリフィンドールの英雄。
王、即ちジェームズ・ポッター。
でも時代は変わった。
僕の出る幕はもうない。

「ちょっジェームズ?!」

愛しのリリー。
キミへの愛は変わらない。
でも全てが遅すぎた。
修復不可能な所まで来てしまっていたんだ。