赤い華10
タキシードを着たジェームズが入口でリリーを迎えた。
シリウスとリーマス、ピーターも付き合わされたらしく、タキシードを来ている。
かなりカッコイイので、思わずドキッとしてしまう。
「さぁ、お姫様。参りましょう!僕達のダンスパーティーへ!」
何だ、それは。とリリーはツッコミたくなるが、言葉が出てこない。驚きを隠せない様子で、リリーは口をパクパクさせている。
「さぁ、お手を」
リリーの手を取り、軽く口付ける。
「シリウス、リーマス。例のヤツを」
ジェームズがそう言うと、シリウスが静かに黒い箱を取り出す。
リーマスが箱を空けて中身をジェームズに差し出した。
「ありがとう。さぁ、お姫様」
箱の中身はティアラだった。
「ポッター…な、これは何の真似よ…?」
「お姫様の真似☆というか、リリーがお姫様だから真似じゃないけどね」
ジェームズはそう言って、ティアラをリリーの頭に乗せた。
「うん、綺麗だよ…」
顔が赤くなるのを感じたリリー。ふと、我に返る。
「ちょっ…やだっ、ポッター!やめてよ!」
気付けば、リリーはジェームズに、お姫様だっこをされていた。