赤い華12

 

「無事に終ったね、パーティー。一時はどうなるかと思ったけどね」
リーマスがにこやかに言ったので、ジェームズはムッとした。
「失礼な。計画のうちさ」
そうは言うが、リリーはかなり嫌がっていた。
「それより…この後はどうすんだ?」
「よく聞いてくれた、我が友!実は、あまり考えてないんだ。だから今はちょっと休憩しようと思って」
嘘だ、とシリウスとリーマスは思った。ジェームズが計画なしでここまでするはずがない。
「オレ達は何もしなくていいのか?」
「正確に言うと、一つだけしてほしいことがあるんだよ」
首を傾げる三人。
「僕の側を離れないでほしいんだ。理由は追々話すから」
何だそれは、と、顔を見合わせる三人。
「今は見逃してくれよ」
ジェームズは手を合わせる。な?と重ねて頼まれると、流石に嫌とは言えない。
「…わかったよ。好きにしろ」
きっとこの信頼関係の中でこそ、ジェームズの人間性は活かされているのだろう。