赤い華16
「黙ってて…悪かったよ。だけど、キミ達が危険に晒されるのは、良くないと思ったんだ」
ジェームズは目を伏せた。
リーマスが、フゥーっと息を吐く音が聞こえた。
「いいよ。でも…ジェームズ。それはダンブルドアに任せた方がいい。もしかすると、ボクらの中にいるかもしれない」
裏切り者が。
リーマスは秘密の守人の凄さを知っていた。だから尚更、成功させたかった。
「ありがとう。だけど、僕はキミ達を信じたいんだ。態度で示さないと」
だからって、こんな大事な事を任さなくてもいいだろうに。
「…変える気はないんだろうね。わかった。好きにしてよ」
どちらにせよ、自分は裏切り者ではない。ジェームズを守れる立場にあるのだ。
「そのかわり、ボクがキミの盾になる」
「気持ちはうれしい」
だけどね、と付け足す。
「それだけで、僕はどんな敵にも勝てそうな気がするんだ。だから大丈夫」
と、そこまで言った時。
ガタンッ
「誰だ!?」
とっさに振り向く三人。
恐る恐る、顔を現したのは。
「ごめんなさい…」
申し訳なさそうに頭を下げる、赤い髪の持ち主がいた。
「リリー…」