赤い華18

 

それはつまり
「勘違いしないでよ?あたしは友達として…」
言い終わらないうちに、ジェームズはリリーを抱き締めた。
「…ありがとうっ…!」
こんなに喜んでいるジェームズは、正直シリウス達も初めて見た。
いつもなら、冷静に対応するはずなのに。
「別にっ…いいわよ…」
素直ではないが、正義感が強いリリー。意地悪だが、仲間を大切に想うジェームズ。
「キミ達がいてくれて、本当によかった」
照れ隠しで笑いながら、ジェームズゆっくり呟いた。
リリーを抱き締めていた腕をほどき、ジェームズは改めて皆を見回した。
「これから…大変な時期なのに、申し訳ないと思ってる。だけど、キミ達の力が必要なんだ。力を…貸して欲しい」
ジェームズが頭を下げた。
グリフィンドールのヒーローが。それは、今自分達が、何をすべきかを教えていた。
「頭を上げて…ジェームズ。大丈夫。キミがずっと、この事を秘密にでもしていたなら、それこそボクらの怒りをかっていただろうけどね」
優れた人物には、優れた人間が集まる。
ジェームズもその内の一人なんだということを、実感した。