赤い華20
「はい…ありがとう」
やっと、素直になれた気がしたリリー。
「貴方に永遠の愛を捧げます」
ジェームズは軽く手の甲に口付けた。
「相変わらずキザだな、ジェームズ」
「シッ!ヘタレは黙ってなよ」
リーマスが、それとなくキツイ一言を浴びせる。
「うっ…」
シリウスは言葉に詰まった。リーマスの尻に敷かれている。
「あなたの真剣な顔は好き」
リリーは優しく微笑んだ。
「じゃあそれ以外は?」
「きっとこれから好きになるわ。きっとね」
ジェームズは、そんなリリーを、心から愛しく想った。
そして決意を固めた。
「キミ達は、例え僕が死んでも…守ってみせる」
例えこの世が滅んでも。
例えこの身が滅びても。
キミ達と過ごした日々は永遠だから。
キミを愛した日々は永遠だから。
僕の中に咲く、赤い一輪の華は永遠に咲き続けるから。
end