赤い華6

 

…悪いけど、あたしは貴方と組む気はないわ」
リリーはそっけなかった。だがジェームズは諦めない。
「じゃあ、今週のクィディッチ…レイブンクロー戦で、僕が得点したら、パートナーになって?」
「ちょっ…何でよ!?せめて貴方がスニッチでも掴んだなら話は別だけれど?」
ジェームズはチェイサー。スニッチなど掴めるはずがない。
「…じゃあこうしよう。試合が終るまでに、僕が120点得点したら、キミと組める」
120点など、取れるはずがない。仲間となら出来なくもないが、独りで、だ。
「…いいわ。そのかわり、貴方が120点取れなかったら、二度とあたしにつきまとわないで」
リリーは、体よくジェームズを追い払う口実が出来たと思った。
「約束するよ」
ジェームズは満面の笑みを浮かべた。この男は、きっと何かを企んでいるに違いない。

「いいのかよ、ジェームズ?」
「何が?」
何が、ときたものだ。ジェームズの中には、既に描かれているのか。勝利への道筋が。
「勝てよ、ジェームズ。あぁ言ったからにはな」
二ッとシリウスは笑った。