It's a secret.1

 

「ジェームズの様子がおかしい?どうして?」
いたずら仕掛け人の内の一人、ムーニーことリーマスは不思議そうな顔をした。
「ありゃ絶対、オレ達に何か隠してやがる」
彼もまた、いたずら仕掛け人の内の一人。パッドフットことシリウス。
「でも僕と話してた時は普通だったよ?」
同じくワームテールことピーター。
「そりゃオマエが鈍感なだけだ」
ゴツッと頭を殴るシリウス。殴られたピーターは、リーマスの後ろに隠れる。
その時だ。
「馬鹿な心配はよしてくれよ?シリウス。僕のどこが変だって云うのさ」
現れたのは、我等が首席。いたずら仕掛け人の首謀者で、プロングスことジェームズ。
「いつもより3倍増しで変だ」
「失礼な。ヘタレシリウスに云われる筋合いはないね」
間髪入れずに言い返すジェームズ。二人のやりとりを見て、リーマスが吹き出す。
「笑うな!!」
「ごめっ…ハハッ!」
まだ笑い止まないリーマスをよそに、ジェームズはシリウスに問う。
「で?僕が何だって?」
シリウスが答える代わりに、ピーターが答えた。
「シリウスが、最近ジェームズの様子がおかしい、何か隠してるって言い張るんだよ」
「僕が?キミ達に?」
そんな覚えはないと云いたそうに、首をわざとらしく傾げてみせるジェームズ。
「絶対だ。隠し通せると思うなよ?きっとリーマスだって、そう思ってるさ」
な?と話を振る。
「まぁ…ちょっとは変だと思ったよ。いつもの3倍」
まだ先程の名残があるらしい。しかし、リーマスまでそう答えているということは、やはり何かあるに違いない。
「それじゃあ…カケをしようじゃないか?僕が負けたら、キミ達にバタービールを奢るよ。んで、キミ達が負けたら…」
「あー、何でもしてやるよ!スネイプとキスだってな!!」
ジェームズはニヤリと、お得意の笑みを浮かべる。
リーマスは口許をわずかに弾き吊らせて笑った。