Snow drop 2
「…そう。何だか、ジェームズってもっと…いいわ、何でもない」
リリーはツンッとソッポを向いて、スタスタと歩いて行った。
「ちょっ、リリー?!」
僕はとっさに引き留めようとしたけど、彼女はそんなことも気にせず、僕を無視して談話室から出ていった。
何がそんなに気に入らなかったのだろう。
僕は…何か悪いことを言ったんだろうか。
そんなことばっかり頭に浮かぶ。
「謝るっていう問題じゃないんだよね…」
「ジェームズ。リリーはきっと、キミが何か言ってくれることを期待してたんだと思うよ?」
それは一体どういうことだろう。
「リリーは、きっと具体的な、自分に自信が持てる何かが欲しかったんじゃないかな」
僕が何か言うことが、彼女の自信に?
またワケがわからないな…。
「キミがそれを理解しない限り、リリーと仲直りするのは無理だ」
「どうしたらいい?何をしたらいいんだい?」
リリーは、僕の大切な人だ。
失うわけにはいかない。