Snow drop 3
「人に頼らず、自分で解決することだね。リリーが望んでるのは、キミが、リリーに対してどんな気持ちを抱いてるのかっていうことだから」
リーマスはそれだけ言って、じゃ、と手を振った。
部屋に戻っていく彼を、何も言わずにただ、僕は見つめていた。
好きだから。
だから…恐くて。
キミを失うことを畏れている。
だから、きっと何も言えなかったんだ。
「よしっ」
僕は自分に克を入れて、リリーを探した。
もう立ち止まってなんかいられない。
彼女に言うことは、会ってから考えよう。
談話室、女子寮、温室――…
どこにも居ないなんて、どういうことなんだ?
いや、見つけられるはずだ。
だって僕は、リリーの彼氏なんだから。
「会いたくなかったのよ」
見つけた途端、彼女は呟いた。
「どうして…」
僕が言い終わるより先に、リリーは口を開いた。
「ジェームズがいると不安だから」
「不安?僕はキミに…不安を感じさせていたのかい?」
「そう――…もう、とてつもなく不安よ。私を、総ての人が敵視しているみたいで怖いの」
僕といると…そんなことを感じるのか、リリーは。